研究会を立ち上げる

現在の世界は、ますます混迷の度合いを深めているように思われます。国際的な紛争が広がり、テロが多発し、宗教・宗派間の対立は収まりません。経済面でも、貧富の格差が拡大し、一国の統一性に懸念が持たれる事態にもなっています。
日本国内に目を向けますと、政治・行政面での意思決定について不公正さや不透明さが増しているとの批判が高まっています。大企業の品質管理面での不祥事のニュースが続き、小中学校でのいじめや自殺など、経済社会面でも深刻な問題が発生しています。

われわれの研究活動は、ほぼ5年前(2013年頃)にスタートしました。グループの目的は、「持続可能な平和社会を構想する」ことにありました。
研究会には、仏教、ビジネス、教育、医療、NGO/NPO、経済研究など、さまざまな分野の人びとが自主的に参集しています。そして、仏教・社会・経済を横断するインター・ディシプリナリー(学際的)な議論を重ねてきました。
このように、研究会は、いろいろな分野の研究者と実務経験者が集まって、「わいわいがやがや」と話し合う場です。そして、昔から「三人寄れば文殊の知恵」と言われるように、議論をしていくうちに、各人の専門の枠を超えてSomething New(なにか新しいもの)を認識していくのです。
研究会の特徴は、アカデミックな研究の成果に実践活動から得た経験知を加え、既存の枠にとらわれない自由な発想にもとづいて、現実に起きている深刻な社会問題を議論することにあります。
そのような議論の結果として、本研究会の名称は、『みんなのいのちが輝く社会経済研究会』(中道研究会)とし、その目指すところは、「仏教と心の蘇生から平和で持続可能な将来のビジョンを切り拓く」となりました。略称の「中道研究会」とは、仏教の教えの「中」を実践(道)するということを表しています。